その他(Miscellaneous)シリーズ15 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 75】

感染性右総腸骨動脈瘤,下大静脈・両側総腸骨静脈血栓症.Infected right common iliac artery aneurysm with IVC and bilateral common iliac vein thrombosis









腹部大動脈は図11で分岐する(RCIA:右総腸骨動脈,LCIA:左総腸骨動脈)ので,図11〜図20の↑は右総腸骨動脈瘤である.さらに図4〜図21の▲は下大静脈と右総腸骨静脈の,△は左総腸骨静脈の血栓を示している.図18〜図20の後腹膜筋膜の肥厚(白矢印)は動脈瘤が感染性であることを示唆し,静脈の血栓は感染性動脈瘤の炎症が原因で発生したと考える.RIIA:右内腸骨動脈.図Aはエコー検査による静脈血栓(▲と△)を,図Bは(マルチスライスCTによる)CT血管造影で右総腸骨動脈瘤(↑)を示している.5日間の抗生物質投与後に破裂予防のため動脈瘤にはステント(図C:△)を,肺塞栓症予防のため下大静脈にはフィルター(図C:▲)を挿入し,その後まもなく解熱した.












参考症例(感染性腹部大動脈瘤・両側腸腰筋膿瘍):76歳男性.3年前から糖尿病を経口薬で治療中.2週間前から発熱,腰痛と右大腿痛があり,血糖のコントロール不良となり入院した.最近1週間は1日1回39度台の発熱がある.腹部に圧痛を伴う腹部大動脈瘤を触れる.
▲と△はガスを含む腸腰筋膿瘍で,↑は感染性腹部大動脈瘤である.右総腸骨動脈は図9から末梢で閉塞している.血液培養は陰性だが,胸水と手術で採取した膿からsalmonella sps.が検出された.












  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ2 【症例 ME 8】

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