その他(Miscellaneous)シリーズ14 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 68】

胆嚢癌による十二指腸閉塞.Gallbladder cancer causing duodenal obstruction





図3〜図7の胆嚢(↑)は不整な壁肥厚を示し,図8〜図10で十二指腸(Du)を巻き込み一塊の腫瘤(↑)を形成している.壁肥厚所見だけであれば黄色肉芽腫性胆嚢炎との鑑別も考慮するが,十二指腸を巻き込んだ腫瘤所見は胆嚢癌を示唆し,そこでの十二指腸閉塞が嘔吐の原因であろう.図Aの十二指腸造影で△が十二指腸球部の閉塞部で,胃前庭部の圧排所見(▲)も認める.手術で胆嚢癌の十二指腸浸潤が確認され,切除不能で胃空腸吻合術が施行された.







参考症例(子宮頚部癌転移による十二指腸閉塞):90歳女性.10年前に子宮頚部癌の放射線治療を受けた.1週間前から食後の嘔吐が続いている.右季肋部に弾性硬の腫瘤を触知した.






胃と十二指腸(Du)が拡張しており,閉塞部位は図6の▲である.図7〜図10の△は不整に造影される腫瘤性病変で,十二指腸を巻き込む悪性腫瘍であろう.図1〜図7の↑は広範囲のリンパ節腫大を示している.右側水腎症(※)を認めるが,尾側へ追跡する(白矢印)と図10で閉塞するので,△の腫瘍性病変が原因である.図12の造影で十二指腸下行部での閉塞(↑)が確認された.胃空腸吻合術を行った際の生検で,poorly differentiated squamous cell carcinoma,子宮頚部癌の転移の可能性が高いと報告された.






  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ9 【症例 ER 45】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ9 【症例 EE 41】

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