その他(Miscellaneous)シリーズ14 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 66】

:十二指腸癌.Cancer of duodenum







胃が拡張しているので,通過障害がないか前庭部に注目すると,図3〜図6で↑は十二指腸球部の腫瘍性病変で,閉塞または狭窄の原因と思われる.やや強く不整に造影され,それだけで悪性腫瘍を疑うが,図3〜図20の▲は転移性病変と思われ,広範に広がった,進行性の悪性腫瘍である.図5で白矢印が幽門輪だから,腫瘍はそこを超えて胃前庭部まで浸潤している可能性がある.右腎は造影効果が減弱し,図13と図14で水腎症(△)を認める.△を尾側へ追跡すると拡張した尿管が図19で転移性腫瘍に巻き込まれ閉塞する.図13で腎静脈がIVCに合流するが,そこより口側は虚脱しており重度のhypovolemiaを意味する.Du:十二指腸.内視鏡検査と生検で十二指腸癌と診断された.胃前庭部には粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.図Aの造影で↑が癌による狭窄部,白矢印は前庭部の浸潤像を示している.手術を予定していたが,胸水と呼吸不全が出現し死亡した.













参考症例(十二指腸癌, 3mmスライスを1スライスおき):75歳男性.数日前から続く嘔吐のため来院.熱はなく,腹部はsoft and flatで圧痛はない.








胆嚢が腫大しているが,壁肥厚や周囲脂肪組織の濃度上昇を認めず急性胆嚢炎ではない.図1〜図7の総胆管(CBD)も拡張し,図6の膵管もやや拡張気味で,尾側の乳頭部あたりでの閉塞を示唆する.図5〜図7で十二指腸(Du)がbeak sign(△)を呈し,図8〜図15の十二指腸(↑)は腫瘤を形成している.不整なやや弱い造影効果を示し,腫瘍性病変であろう.内視鏡検査と生検で十二指腸癌と診断された.








  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ5 【症例 ME 23】

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