その他(Miscellaneous)シリーズ14 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 66】

先天性胆道拡張症.Congenital biliary dilatation








肝門部周辺の嚢胞状構造物を鑑別するには,まず胆嚢がどれかをはっきりさせるとわかりやすい.図7から始まるGBは,図8〜図10で(胆嚢)特有の形を呈し,図19で閉塞するので胆嚢である.図7から始まる↑は,図11〜図14で十二指腸の内側を下降し,図19で閉塞するから総胆管であり,先天性胆道拡張症との診断となる.図2〜図5のRは拡張した右肝内胆管で,Lは左肝内胆管ということになる.戸谷分類のIV-A型である(下記参照症例ER48の解説参照).小児専門病院へ転送となり,同所見が確認された.












参考症例(Plain CT,10mmスライス,先天性胆道拡張症):8歳女児.3日前から右季肋部痛,嘔吐と微熱があり,近医にて点滴治療を受けていたが改善しないため紹介来院した.体温:37.8℃,右季肋部に圧痛があるが,反跳痛や筋性防御は認めない.GOT:417 IU/L,GPT:390 IU/L,LDH:821 IU/L,ALP:621 IU/L,T-Bil:2.1mg/dl.
図2〜図7で総胆管(CBD)が1cm以上の拡張を示し,先天性胆道拡張症を疑うが,図Aの胆道造影で同所見が確認された.左肝内胆管の拡張(図2:△)を伴うのでIV-A型である.図Aで総胆管膵管合流異常は確認できないが,ほぼ全例に合流異常を伴うことが特徴である.▲は空気(手術で結石は確認されなかった).総胆管胆嚢摘出・総胆管空腸吻合術が施行されたが,胆嚢内のamylaseは3530 IU/Lと高値を示した.









  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ10 【症例 ER 48】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ28 【症例 ER 137】

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