その他(Miscellaneous)シリーズ13 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 63】

十二指腸悪性リンパ腫.Malignant lymphoma of duodenum








図3〜図14の▲は十二指腸下行部の造影効果の弱い腫瘤性病変である.↑は十二指腸内腔を示しているので,全周性病変である.かなり長い,しかも全周性病変であるのに胃と十二指腸の拡張を認めず,また閉塞症状がないことはかなりの伸展性を有する病変を意味し,悪性リンパ腫を疑う.内視鏡検査で十二指腸球部内に大きな潰瘍を伴う巨大な腫瘤性病変(図A:△)を認め,膵頭部十二指腸切除を行った.病理:粘膜下に首座をおき膵頭部に浸潤するlymphoma.Large,diffuse B-cell type.








参考症例 1(十二指腸迷入膵):55歳女性.1ヶ月前からタール便と嘔気が出現し,近医で貧血を指摘された.Hb:10.2g/dl.
CTの▲と図Aの↑は十二指腸球部内の球形腫瘤性病変で,やや不整に造影されるが造影効果は強くなく,辺縁も平滑である.腫瘤摘出を行った.病理:異所性膵組織(ectopic pancreas).








参考症例 2(十二指腸平滑筋腫):63歳男性.くも膜下出血の術後follow-up中に貧血(Hb:5.1g/dl)を指摘された.
図3〜図6の十二指腸下行部の▲は,図4と図5で十二指腸を認識できなくなるので,十二指腸内外に発育した腫瘍性病変を示唆する.辺縁は比較的平滑で,均一な造影効果を示し,悪性所見はなさそう.図Aの造影で十二指腸下行部の辺縁平滑な円形腫瘤を示している.切除したら,平滑筋腫であった.









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