下段の図11と図12で▲はやや高濃度の均一な胃液で,吐血例では血性胃液と解釈すべきである.動脈瘤の大きさの定義は「正常血管の1.5倍以上」だから,図10の下行大動脈の外径が約4cm,図7のそれは6cmだから,図5,図6と図7の下行大動脈の拡張は「瘤」である.図1〜図4の※は液状内容物(吐血例だから血液)で拡張した食道であり,図4と図5の△はextravasationである.図6と図7の下行大動脈に図5のそれを重ねて,前方にはみ出した部分(△)はextravasationの可能性がある.吐血の原因は下行大動脈瘤の食道内穿破である.内視鏡検査で同所見を認め,血管内ステント挿入を試みたが外腸骨動脈の石灰化と蛇行が強く,成功しなかった.出血が続き死亡した.
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