その他(Miscellaneous)シリーズ13 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 63】

胃潰瘍.Gastric ulcer






図1から胃角部小弯側の粘膜下浮腫による壁肥厚(▲)を示し,前庭部の後壁へ広がる.図4〜図7の,その壁肥厚部の欠損像(↑)は急性潰瘍性病変であり,膵頭部に穿通している.Extravasationを認めず,この時点では自然止血している.図AのNGチューブからの造影で胃角部から後壁へ広がる巨大潰瘍(△)を示し,図Bの内視鏡検査でも同所見(↑)が確認された.Hb:12.8g/dl→10.5g/dl.





参考症例(胃潰瘍):55歳男性.タール便のため入院したが,2日後鮮血性の吐血と数回のタール便が出現した.内視鏡的に止血困難で,Hbも16g/dlから13g/dlへ低下したので緊急手術となった.



上段の単純CTで,吐血例で胃内の高濃度内容物(白矢印)は血腫を意味する.下段の造影CTで,↑が前庭部の後壁潰瘍であるが,粘膜下浮腫(▲)は上記症例(A1 stage)程強くないのは亜急性期(A2 stage)の潰瘍だからである.単純CTでは図1と図2の△が潰瘍だが,認識困難である.Extravasationは認めない.図Aは切除標本で,↑が潰瘍で,白矢印は露出血管,▲は内視鏡治療による壊死部であろう.







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