肝表面は不整な凹凸を示し,萎縮性で典型的な肝硬変である.図3〜図6の↑は胃内に突出した胃静脈瘤であり,extravasationを認めないが吐血の原因病変であろう.胃外の静脈瘤図3の1から尾側へ追跡すると数字順に展開する.図10で腎静脈に合流しgastro-renal shuntを形成しているので,頚静脈または大腿静脈から(→左腎静脈→)胃静脈瘤への到達が可能であることを示している.内視鏡検査で胃静脈瘤が確認された.図Aのごとく頚静脈からB-RTO(Balloon-occluded Retrograde Transvenous Obliteration:バルーン閉鎖下逆向性経静脈的静脈瘤塞栓術)を施行し,図Bと図Cに示すように静脈瘤(△)と側副路(▲)が血栓化したことが証明された.以後入院中に吐血の再発はなかった.
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