図1〜図3で右側結腸は普通便を含み,小腸または右側結腸からの出血ではない.図8でS状結腸(S)に多発性の憩室(↑)を認める.壁肥厚を呈しているが,右側結腸と違いS状結腸は憩室の形成過程で壁が肥厚するので,周囲に脂肪組織の濃度上昇や腹水を認めない限り憩室炎と診断してはいけない.1スライスだけ(おそらく少量の出血)だが図15の△はextravasationを示しており,S状結腸憩室の出血である.Double phase造影CTを撮れば,delayed phaseで複数スライスでextravasationが認識され,診断が容易になると思われる.入院後は下血の再発はなかった.図Aが注腸造影で,全結腸型の憩室症である.
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