下段の図16で右側結腸だけの拡張だから1から追跡を始めると数字順に展開する.拡張から正常結腸への移行部は図3の16と図4の17あたりだが,腫瘍性病変,重積や外部から圧排するような病変を認めない.図1でその移行部の内容物(↑)は固形便である可能性が高く,何らかの原因で狭窄があり,そこで固形便が嵌頓し閉塞をきたしている可能性を考慮する.CTで一見ガス様に見えるがウィンドウ幅を広げたCTで実は固形便と判明することをたまに経験する(下記参照症例).大腸ファイバー検査で狭窄を認め,その後注腸造影が施行された.図Aで粘膜面は平滑で不整のない長い狭窄像(△)を示し,図Bで伸展性に乏しい病変(▲)を認めた.狭窄部の口側に人工肛門が造設された.その後の検査でも腫瘍性病変を認めず,虚血性腸炎後の狭窄との結論に達した.
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