右側で液状内容物とガスで拡張した腸管は,頭側では図4の1でUターンし,図6〜図8でbeak sign(↑)を示し図9の6で閉塞するようで,尾側では図17のAで頭側へUターンし図9のIでbeak sign(△)を呈し閉塞するのでclosed loopを形成していると考えられる.上行結腸は図2のA1から下行し,図9のA8,図10のA9となり閉塞部へ収束するので盲腸捻転である.図1の腹部単純写真で白矢印の嵌入部が捻転部位とすれば,盲腸捻転典型例の“逆Cパターン”または“left kidney sign”を左右に反転させた所見を呈している.図Aの注腸造影で左側結腸に異常を認めず,盲腸捻転と診断され手術となった.著明に拡張し壊死に陥った盲腸(図B)が尾側から見て反時計方向に360度捻転していたので切除し,回腸瘻を造設した.
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