消化管穿孔を示唆する遊離ガスや腹水を認めない.図12〜図17で上行結腸内に存在する金属性の棒状の異物(▲)は容易に認識できるが,壁肥厚,周囲脂肪組織の濃度上昇や腸管外遊離ガスを認めず穿孔を示唆する所見はない.図2〜図14の↑は肝臓内から十二指腸にまたがる細い棒状の構造物で,真ん中に高濃度の“芯“を示している.Retrospectiveだが,胃内の△も異物のようである.内視鏡検査で十二指腸内に鉛筆(図A:↑)を認め,手術(図B)で胃内に手袋(△),十二指腸壁を貫通し肝臓に突き刺さる鉛筆(↑),上行結腸内に金属性の棒(▲)とボールペン(白矢印)が発見され摘出した.ボールペン(白矢印)は何故かCTで認識できない.図17で金属性の棒は腸管後壁外に突き出ているように見えるが,10mmのデータを1スライスで表現しているからそう見えるだけで,貫通しているのではない.同様に胃内のNGチューブもCTで一部を胃外に認めることがある.貫通しておれば周囲脂肪組織の濃度上昇を伴う.
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