腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)18 EXPERT COURSE 解答 【症例 GE 90】

魚骨(2本)による小腸穿孔.Small bowel perforation by two fish bones






小腸だけでなく右側結腸に液状内容物が存在する所見は麻痺性イレウスを強く示唆する.小腸内に魚骨と思われる,高濃度の線状の異物が2本ある(図4と図5:↑,図13と図14:白矢印).いずれも周囲脂肪組織の濃度上昇(▲と△)を伴い,穿孔を起こしている可能性が高い.手術で,回腸壁を貫通した,いずれもY字型の魚骨が20cm離れて2本(図A)あり,除去した.2日前にウツボを食べたと言う.








参考症例(魚骨による盲腸穿孔):63歳男性.4日前に腹痛が出現し,近医にて下剤と鎮痛剤で加療されたが3日経過しても改善せず紹介来院した.体温:36.9℃,右下腹部に圧痛がある.
図2〜図6の↑が魚骨で,遊離ガス(▲),周囲脂肪組織の濃度上昇(△),盲腸と回腸末端(TI)の壁肥厚を認め,典型的な異物による腸管穿孔の所見である.手術で2.5cm長の魚骨による盲腸前壁の穿孔が確認された.












  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LE 25】
2. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ9 【症例 RE 41】

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