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腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)18 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 87】
横行結腸癌.Transverse colon cancer
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図12で上行結腸(A)は拡張し,下行結腸(D)は虚脱しているので,その間で閉塞していることを示唆する.図11の1から肛門側へ追跡すると,図12の16で閉塞するが,原因病変は図10と図11の↑で,不整で,強い造影効果を示し癌であろう.その肛門側は図11のT1から図4のT8と展開する.腹痛は軽度で嘔気もないことからNGチューブを挿入せず経過観察された.
下段は4日後突然激しい腹痛を訴えショック状態となった時のCT.大量の遊離ガスがあり(△),左側の腹水(※)は,上行結腸(A),横行結腸(T)と小腸が虚脱しているので,それらから流出した内容物を意味し,穿孔による糞便性腹膜炎を起こしている.手術で横行結腸癌(図A:↑)とその口側13cmの部位での穿孔を認めた(図A:白矢印).大腸閉塞例には拡張した大腸の減圧を怠るべきではない.
参考症例
(横行結腸癌:経肛門的減圧):60歳女性.数日前から排便がなく,当日に腹痛が出現した.下剤を処方されたが数時間後から腹痛が増強し再来院.体温:36.9℃,臍周囲に圧痛を認めるが反跳痛や筋性防御はない.
右側結腸が拡張し,左側は虚脱しているからその間の閉塞を示唆する.図1の1から追跡すると,図9の9で閉塞する.図7〜図10の強い造影効果を受ける↑が原因病変であるが,不整を示さずCTでは癌とは断定できない.図11のTI〜図15のT5が肛門側の横行結腸.内視鏡検査で癌と診断され,経肛門的にイレウスチューブを挿入した(図A:▲).右側(脾湾曲部より口側)結腸癌の閉塞病変でも経肛門的減圧が可能であり,試みるべきである.
【参照症例】
1.
右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ5 【症例 RE 25】
2.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ24 【症例 EE 120】
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