腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)17 EXPERT COURSE 解答 【症例 GE 83】

単純性小腸閉塞.Simple small bowel obstruction









下腹部で拡張した小腸はgaslessで,図17と図18で腹水(※)があり,明らかな腸間膜の濃度上昇(図7〜図12:▲)を認めるので絞扼性小腸閉塞の可能性が極めて高い.図17のS字状の小腸から追跡を始めると,Aは図13のEでbeak sign(↑)を示し図12のFで,1は同部位の27でbeak sign(↑)を呈して閉塞する.図12のa〜図1のvが単純閉塞の小腸であり,図10と図11で虚脱した小腸(SB)を認め,典型的なclosed loopを形成する絞扼性小腸閉塞と思われた.小腸造影で強い狭窄(図A:△)を認めたので手術を行った.しかしClosed loopは形成されておらず,単純性小腸閉塞であり,虫垂切除部で索状物による狭窄を認め,索状物を切離した.このように10mmスライスCTでは正確に診断できない症例もある.5mmスライスであれば,図12のaとFが連結し,単純性閉塞との診断が可能となるであろう.











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