腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)17 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 83】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction with no necrosis








拡張した小腸はgaslessで,図19と図21で腹水(※)があり,図9〜図13でスジ状の濃度上昇(fat stranding:▲)を認めるので絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図19のAは上行し,図1のBでUターンし,図8のCで閉塞する.1は図9の9で閉塞するのでclosed loopを形成している.付近に虚脱した小腸(SB)を認めるが,拡張した単純閉塞の腸管はなく,早期の絞扼性小腸閉塞ではないか.単純CTだから腸管壁のviabilityの判断はできないが,すくなくとも(壁が高濃度を示す)出血性壊死はないといえる.Closed loopと診断され手術となった.中央部の小腸約150cmが腹壁に癒着した部位で180度捻転し絞扼されていたが,壊死所見を認めず,癒着剥離のみを行った.














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