小腸だけの拡張だから小腸閉塞である.拡張した小腸はgaslessで,図1〜図4と,図18〜図21で腹水(※)があり,図12〜図14の▲は腸間膜がwater densityを示し濃度上昇を呈している.これらの3所見あれば絞扼性小腸閉塞の可能性が高いが,腹水は相当量あり,単純な小腸閉塞ではないことをさらに裏付ける.図19のAと1からの追跡は容易であり,図9でbeak sign(↑)を示すKで閉塞,1は同部位53で閉塞するのでclosed loop形成が証明された.虚脱した小腸は図8で無数にあり,やや距離を置くが図5のa〜図1のeが単純閉塞の小腸であろう.絞扼された小腸壁は良好な造影効果を受けviableである.正確にCT診断され手術となった.約40cmの回腸が腸管同士と後腹膜との癒着で形成された間隙に絞扼され軽度の暗赤色を呈していたが,絞扼解除により改善したので切除は不要であった.
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