腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)16 EXPERT COURSE 解答 【症例 GE 77】

小腸嚢胞状気腫症破裂による遊離ガス・門脈内ガス.Pneumatosis cystoides intestinalis with free air and portal vein gas







図1で遊離ガス(▲)があり,図2と図3の拡大画像で肝内門脈内ガス(△)と小腸の壁内気腫(↑)を認める.CTでは,図4〜図7で遊離ガス(▲)と肝内門脈内ガス(△)を,図12〜図25では小腸の壁内気腫(↑)を認める.消化管穿孔を疑い手術となり,空腸が拡張し(図A),離れた2箇所の部位で空腸に壁内気腫を認めた.虚血所見はないが空腸壁近くで脈拍が微弱だったので切除した.病理:主に粘膜下層で,一部では粘膜層,固有筋層や漿膜下層に多数のpneumatosisを認める.











参考症例(大腸嚢胞状気腫症:pneumatosis intestinalis):多発性筋炎でステロイドを服用中の45歳男性.無症状であるが,膠原病に合併する悪性腫瘍精査のため大腸ファイバー検査を行ったら,右側結腸に嚢胞状気腫症が発見された(図3と図4).図1は腹部単純写真で,右側結腸の外側に壁内気腫(↑),図2はMDCTによる冠状断層画像で,全周性の壁内気腫(白矢印)を示している.




  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ19 【症例 RE 92】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ21 【症例 EE 101,102】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】