小腸だけの拡張だから小腸閉塞である．大部分がgasless（ガスを含まないか，あっても少量）で，骨盤腔内に腹水（図１４と図１５：※）を認めるので絞扼性の可能性を否定できないので追跡してみる．図１３のXYはXとYに，cdはcとdに分かれて上行する．図５のABはAとBに分かれて下行し，図１２で閉塞するのでclosed loopを形成している．図１４から始まる1は数字順に展開し，図４の22となりさらに上行する．閉塞部位の図１３〜図１５の↑は，不整な造影効果を示す腫瘤であり，閉塞の原因と思われ，通常の索状物による絞扼性小腸閉塞とは異なる所見である．手術で図Aのように，大腸癌の再発病変による2箇所の小腸閉塞を認めた．