腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)15 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 72】

Schonlein-Henoch 紫斑病.Schonlein-Henoch purpura






近位空腸が粘膜下浮腫による壁肥厚(↑)を示し,空腸限局性の炎症性疾患を示唆する.3日後に両下肢に紫斑が出現し,IgAが615mg/dl(正常:110-410)と高値を示したのでSchonlein-Henoch 紫斑病と診断され,3日間のステロイドパルス療法で症状が改善した.









参考症例(Schonlein-henoch紫斑病):77歳男性.2日前からの腹痛,下痢,当日には嘔吐も加わり来院した.体温:36.2℃,心窩部に圧痛があり,下肢と上肢に多数の紫斑を認めた.








上記症例同様, Schonlein-Henoch紫斑病に合併した腸炎であり.腹水(図1〜図8:※)を伴う.図6の1から空腸が始まるが,図10の24から図12の44の近位空腸は明白な3層構造(target sign:内側の高濃度部分が粘膜,その外側の低濃度の部分が粘膜下浮腫,外側の高濃度部分が固有筋層)を呈し,粘膜下浮腫による壁肥厚を示している. 3週間のステロイド療法で治癒した.








  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ20 【症例 ER 98】

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