図1の大量の腹水(※)は,腸閉塞であれば絞扼性を示唆する不吉な所見である.図2のガスで拡張した腸管:A1を尾側へ追跡すると,Aは図14のMと図15のNでbeak sign(↑)を呈して図19のRで閉塞する.1は図13の12と〜図15の14でbeak sign(白矢印)を示し,図16の15で閉塞する.図23のS状結腸:S1の追跡は困難だが,図のように上行し図16のS8となり消失するようで,図10の下行結腸:D1は図18のD9となり消失する.従って,A〜Rと1〜15はclosed loopを形成しており,閉塞部位にS状結腸と下行結腸が収束するのでS状結腸捻転の所見を示している.図10〜図23の▲は,図17と図18の虚脱した小腸(SB)と比べれば壁の造影効果が極めて減弱した小腸で,図18〜図20の△は壁内気腫の可能性が高く,壊死に陥った小腸と判断する.S状結腸捻転所見と小腸壊死の両所見を認めれば,腸管結節形成症の診断となる.小腸壊死の診断で手術となった.360度捻転し強い虚血状態のS状結腸と,その捻転に巻き込まれ絞扼され壊死に陥った回腸を認めた(図A).
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