図1で遊離ガス(白矢印)を,図13〜図15で腹水(※)を認め,腹膜刺激症状があるから消化管穿孔と診断し,手術の適応であるが,Expertを目指すなら穿孔部位と原因疾患を追求すべきである.図9〜図15の△は腸管壁を認めず,腸管の形態をなしていないので腸管外糞便を強く示唆するが,結腸の走行をはっきりさせるとその証明が可能である.直腸,S状結腸と下行結腸は図14の1から図2の27で納得でき,すると図9〜図15の△は腸管外に存在することになる.図11と図12の↑は壁欠損像を示しておりS状結腸穿孔の診断となる.腫瘍性病変,憩室や異物を認めないので原因は不明.手術で腹腔内に多量の便塊があり,S状結腸に5cm大の穿孔を認め(図A:▲),Hartmann手術を施行した.病理:穿孔の原因は特定できず特発性穿孔.
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