腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)13 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 61】

横行結腸粘膜下脂肪腫・重積.Submucosal lipoma of transverse colon with intussusception






横行結腸は図4の1から図の数字順に走行し図1の16となる.横行結腸:図4の11〜図7の8は,▲を陥入部として重積を起こしており,その誘因となる先進部は図3〜図8の↑の病変で,それは脂肪組織であり,横行結腸粘膜下脂肪腫による腸重積である.嵌入した腸管の長さが短いため重積部に腸間膜を認めず,また腸閉塞所見もない.注腸造影:図Aの△が“カニ爪状”所見を示す先進部病変で,図Bは重積整復後の病変(↑),図Cは内視鏡検査で認めた先進部(白矢印)で,出血を伴った脂肪腫である.手術および病理所見:submucosal lipoma.






参考症例(盲腸癌・重積):89歳女性.3日前からの,次第に増強する腹痛を訴える.体温:36.7℃,右上腹部に圧痛を認める.
▲が陥入部で,脂肪組織(腸間膜:△)を認め,↑の病変を先進部とする上行結腸の重積である.重積の長さが短いので上記症例同様閉塞所見はない.図8の注腸造影で先進部病変(白矢印)は辺縁と表面が不整な隆起性病変を示し,悪性腫瘍を考慮すべき所見である.手術および病理所見:盲腸癌による腸重積.








  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 12 【症例 LR 56】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ17 【症例 ER 84】

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