腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)12 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 56】

胃潰瘍穿孔.Perforated gastric ulcer



図1〜図3で遊離ガス(↑)があり,図2で脾臓周囲に腹水(※)を認めるので消化管穿孔の可能性が極めて高い.白矢印は脂肪組織が存在するところだが,肝表面にアーチファクトを認めるので腹壁側は脂肪で,背側は遊離ガスであろう.図2〜図6で胃前壁の粘膜下浮腫による壁肥厚(▲)を示し,図4と図5の△が急性潰瘍性病変で,胃潰瘍の穿孔である.手術で胃体部前壁に5mm大の潰瘍穿孔を認め,胃部分切除を行った.病理:perforated gastric ulcer,no malignancy.



参考症例(Plain CT,穿通性胃潰瘍):70歳女性.2日前からの,次第に増強する腹痛で来院した.体温:38.2℃,腹部は左側全体に圧痛と反跳痛を認める.
遊離ガスや腹水は認めない.▲は浮腫による壁肥厚,△は急性潰瘍による壁欠損,↑は潰瘍穿通による肝下面と胃前壁間の液貯留とガスであり,穿通性胃潰瘍である.手術で4cm大の巨大潰瘍穿通を認め.胃部分切除を行った(図A).











  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ22 【症例 ER 106】

 【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】