下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 20 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 97】

バンドによるS状結腸絞扼性閉塞.Strangulated obstruction of sigmoid colon by an adhesive band









図1で△はガスで拡張した結腸と思われる.その頭頂部が図2のA1だからそこから尾側へ追跡すると,Aは図13でbeak sign(↑)を呈し図15のNで閉塞する.1は図11でbeak sign(▲)を示し図12の12で閉塞するようである.直腸がそこへ収束することは証明できないが,closed loopを形成しておりS状結腸捻転と診断した.ガスで拡張した腸管壁の造影効果は判定不可能で壊死の有無はわからない.図19の注腸造影でS状結腸がbeak sign(白矢印)を示し閉塞するのでS状結腸捻転を裏付ける所見である.しかし,手術では図A(手術所見)のように子宮筋腫と後腹膜筋膜間に索状物(band)があり,その間隙へS状結腸が嵌入し絞扼されていた.虚血所見を示していたが索状物切離後は色調が改善し,切除は不要であった.










  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 7 【症例 LE 35】

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