下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 20 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 96】

子宮広間膜異常裂孔ヘルニア.Small bowel herniation through a defect of the broad ligament of the uterus








図1〜図4で盲腸(C)は普通便を含み,回腸末端(TI)は虚脱しているので,拡張した小腸は腸閉塞である.Gaslessで,図13〜図20で腹水(※)があり,図9と図10で腸間膜の濃度上昇(▲)を認めるので絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図18のAと1から追跡すると,Aは図12のGで,1は図11の24で閉塞する.図9と図10で虚脱した小腸(SB)があり,図12のaから拡張し始めるのが単純閉塞の小腸であり,図17のzとなりさらに上行する.Closed loopを形成する絞扼性小腸閉塞と診断できたが,子宮近辺での閉塞だから子宮広間膜異常裂孔ヘルニアの可能性も考慮する.絞扼された小腸壁の造影効果は良好で壊死はない.正確にCT診断され手術となった.左子宮広間膜に異常裂孔を認め,そこへ約40cmの回腸が嵌入し内ヘルニアを起こし絞扼されていた(図A:手術記録).絞扼された回腸に壊死はなくヘルニア還納と異常裂孔の閉鎖を行った.右側の広間膜にも異常裂孔を認め閉鎖した.













  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 3 【症例 LR 14】
2. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 10 【症例 LR 46】

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