図5〜図7で馬蹄腎(▲)を認める.虚脱した小腸と拡張した小腸ループが限局した集簇を作り(↑),滑らかな円弧状の境界を示す,一つの袋の中に収まった感じを出す嚢状構造(sac-like appearance)を形成している.嚢を有する内ヘルニアを疑うが,図1のJ1が十二指腸空腸移行部で,図3のJ3がヘルニア内に位置しているので,上部空腸が左側に起こすヘルニア,すなわち左傍十二指腸ヘルニアである.イレウスチューブを挿入したが右上腹部でとぐろを巻き,先端は肛門側へ進まない.1週間経過観察したが腹痛は改善しないため手術となり,同所見が確認された(図A:手術記録).ヘルニア還納とヘルニア門閉鎖術を行った.
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