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下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 19 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 94】
左傍十二指腸ヘルニア.Left paraduodenal hernia
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図5〜図7で馬蹄腎(▲)を認める.虚脱した小腸と拡張した小腸ループが限局した集簇を作り(↑),滑らかな円弧状の境界を示す,一つの袋の中に収まった感じを出す嚢状構造(sac-like appearance)を形成している.嚢を有する内ヘルニアを疑うが,図1のJ1が十二指腸空腸移行部で,図3のJ3がヘルニア内に位置しているので,上部空腸が左側に起こすヘルニア,すなわち左傍十二指腸ヘルニアである.イレウスチューブを挿入したが右上腹部でとぐろを巻き,先端は肛門側へ進まない.1週間経過観察したが腹痛は改善しないため手術となり,同所見が確認された(図A:手術記録).ヘルニア還納とヘルニア門閉鎖術を行った.
参考症例
(左傍十二指腸ヘルニア):73歳女性.若い頃から一時的な腹痛発作が何回かあった.2日前に出現した腹痛と嘔吐のため来院.熱はなく,左上腹部に圧痛がある.
図2〜図10の小腸の集簇(↑)は胃を背側から圧排し,異常な場所に存在する.楕円形の平滑な境界を呈し,いかにも袋の中に収まった感じを示す嚢状構造を形成しており,内ヘルニアであろう.十二指腸(Du)が拡張しているので図10の上部空腸J1を頭側へ追跡すると,図4でヘルニア内に巻き込まれるので左傍十二指腸ヘルニアと診断する.第3病日に腹痛が消失した.胃十二指腸透視(図A)で上部空腸に異常を認めず,自然に還納されたものと思われた.
【参照症例】
1.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ20 【症例 EE 96】
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