図1〜図3で,上行結腸は糞便を含むAで,その右側のSBは小腸であり,移動盲腸を示唆する.図9と図10の糞石(↑)に気づき,その上下を追跡すると急性虫垂炎の診断となる.上行結腸(図7〜図14:A)は骨盤腔に達し,図14のC1でUターンし図9のC6で盲端になるようだ.つまり,移動盲腸であり,先端(盲端部)は腹部正中に位置する.図9と図10の糞石(↑)が虫垂根部に嵌頓し,図8の1から腫大し,上行し,図5のガスを含む管腔臓器4となり,図2の7で盲端になると解釈する.虫垂壁の造影効果はほとんど認められず,液状内容物で拡張した小腸は麻痺性イレウス(すなわち進行性虫垂炎)を意味し,壊死性虫垂炎と診断する.周囲に液貯留や強い炎症所見はないので穿孔の可能性は低い.正確にCT診断され,手術で壊死性虫垂炎が確認された(図A).病理:acute appendicitis gangrenosa.
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