図1で淡い円形のガス像(△)は,多量の液状内容物と少量のガスで拡張した腸管を示唆する.図3〜図15で多量の液状内容物と少量のガスで拡張した腸管(C)は図1の△と一致し,上下で盲端になりclosed loopを形成している.図8の1から始まる虚脱した腸管を追跡すると図の数字順に展開し,図2の13となるので上行結腸であろう.図8〜図11の1〜7はほぼ360度回転しており,図10の↑を軸とするwhirl signは捻転を強く示唆し,盲腸捻転の可能性が高い.図Aと図Bで“left kidney sign”(↑)を示し,盲腸捻転の診断がついた.図8〜図13の拡張した腸管背側のガス像(▲)は壁内気腫であり,図7〜図15の白矢印は,他の腸管壁と比較してやや肥厚しており,高濃度(単純CTで筋肉と同等またはそれ以上)の所見は壁内血腫を示唆し,出血性壊死に陥っている可能性を否定できない.手術では,盲腸捻転(時計方向に360度)を認めたが,腸管壁の虚血や壊死はなかった.捻転解除と盲腸固定術を行った.
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