盲腸(C)と骨盤腔内小腸が液状内容物で充満しているのは麻痺性イレウスであろう.麻痺性イレウスの原因を検索するのだが,図5と図6の糞石(↑)に気づき,前後を追跡すれば診断は容易である.盲腸(C)は図10で盲端になり,回腸末端(TI)は図5からはじまり,下腹部へ下行する.図9の1が虫垂根部で,図4の6まで虚脱したまま上行し,図5と図6で嵌頓した糞石があり,そこから末梢は腫大し,図8のガスを含む10で盲端になる.麻痺性イレウスは進行性(穿孔性または壊死性)の虫垂炎を意味するのでさらに検索すると,回腸末端の走行が図のとおりであれば,図8〜図11の※は腹膜の肥厚を伴う液貯留(すなわち穿孔)または膿瘍と判断する.
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