図1:ガスで拡張した腸管(△)は,“逆Cパターン”または“left kidney sign”を示し,白矢印の部位での捻転を意味し典型的な盲腸捻転の所見である.CTでは,図3からガスと液状内容物で拡張した腸管(C)は図19のC1でUターンし,図14のC6で盲端になり,closed loopを形成している.図15でbeak sign(↑)を示し,同部で腸間膜が交錯し(▲),右下腹部での捻転を強く示唆する.図14の1〜図5の10が虚脱した上行結腸と思われ,盲腸捻転である.図21〜図23の腹水(※)は,捻転例では不吉な所見である.正確に診断され手術となった.中等量の血性腹水を認め,盲腸は著明に拡張し,時計方向に180度捻転していた.著明な虚血状態で,壁は薄く漿膜が一部裂けており破裂寸前と思われた.回盲部切除(図A),回腸上行結腸吻合を行い,術後は順調に経過した.
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