参考症例(PID):29歳女性.前日に下腹部痛,悪寒戦慄,発熱と数回の下痢が出現し近医受診,胃腸炎として治療された.当日になっても下腹部痛と発熱が続いたため来院した.体温:37.1℃,腹部全体に圧痛と反跳痛があるが筋性防御はない.
図1でガスと液状内容物を含む盲腸(C)は麻痺性イレウスを示唆し,同図で回腸末端(TI)とS状結腸(S)が浮腫性に壁肥厚を示し,腹水(※)があり,図2〜図5の↑は浮腫状に腫大した両側卵巣であり,PIDと診断する.腹膜炎の診断で手術となった.混濁した腹水があり,膿苔の付着した,腫大した両側卵巣を認め,卵巣炎を伴う骨盤腹膜炎(PID)と診断された.腹水培養からstreptococcus pyogenes(group A)が検出された.
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