図1〜図12まで腹水(※)がある.直腸,S状結腸から下行結腸までの走行は図9の1〜図4の15であるが,骨盤腔内には小腸は存在しない.従って,図6〜図12の内部不整な,膀胱内尿より高濃度の△はすべて血腫と解釈すべきである.膀胱と腹水の境界が分かり難いが,図10と図11の▲も血腫だから図10〜図12の白矢印のやや低濃度の部分が膀胱であろう.図9と図10でやや腫大した卵巣があり,図9〜図11の↑はextravasation(造影剤の血管外漏出)を示し,妊娠反応が陽性であれば子宮外妊の可能性も考慮するが,陰性であれば左卵巣出血がほぼ確定診断となる.入院後も腹痛がさらに増強したので手術となった.左卵巣に排卵創を,腹腔内に750gの出血を認めた.術後Hb:7.8g/dlまで低下したが輸血せずに順調に経過した.
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