直腸から下行結腸までの走行は図19の1〜図1の63である.図3〜図6で左側に,図9〜図12で右側に,図15〜図20で骨盤腔内に腹水(※)があり,図19で腸管外のガス像(白矢印)を認め,骨盤腔内腸管の穿孔の可能性が極めて高い.さらに決定的な所見は,図2〜図6と,図11〜図19の↑は結腸の走行と重ならないので腸管外に存在する糞便である.図7と図8の,▲間の壁欠損像はS状結腸の穿孔部位を示している.このように,下部結腸の走行がはっきりすれば,腸管外所見が容易に見えてくるので,追跡の仕方を修練することは下部結腸穿孔の診断に極めて大事なことである.図Aの注腸造影でS状結腸(S)穿孔(△,↑は腸管外糞塊)が確認され,手術となった.骨盤腔内に便塊と便汁性腹水があり,S状結腸に2cm大の穿孔を認めた.CTでは憩室を認めないが,病理検査でS状結腸憩室穿孔と診断された.
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