図1〜図3で盲腸(C)と一部小腸が液状内容物を含む所見は麻痺性イレウスを示唆する.図12の直腸1は数字順に展開するので図9の14,15と16はS状結腸である.図9と図10の▲は腸管外の液貯留と遊離ガスであり,同図の△は肥厚した腹膜で,その周囲の脂肪濃度上昇も認められ,腹膜炎の所見である.図9と図10の↑病変はS状結腸他部分より肥厚し,やや強い不整な造影効果を示しているので癌を疑うべきである.癌病変を見落とされ,図10で憩室(白矢印)を認めたので穿孔性憩室炎と診断されたが,S状結腸癌穿孔である.TI:回腸末端.保存的に治療され,1週間後には膿瘍が形成された(図14〜図18:↑).手術と病理検査でS状結腸癌穿孔が確認された.
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