拡張している腸管は小腸だけだから,小腸閉塞である.外ヘルニアの嵌頓はない.次に絞扼性かどうかの判断が大事である.図1と図17〜図21で相当量の腹水(※)があり,図8〜図11で腸間膜の濃度上昇(▲)を示し,拡張した小腸は大部分がgasless(ガスを含まないか,あっても少量)だから絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.Closed loopを形成していることを証明すれば確定診断となるから図21から追跡する.Aは図14のYで,1は図14の46でbeak sign(白矢印)を呈し図15の47で閉塞するのでclosed loopを形成している.図13と図14で虚脱した小腸(SB)があり,図14のbeak sign(↑)を示すa〜図2のsが単純閉塞の小腸である.絞扼された小腸の壁は良好な造影効果を認め,壊死はないと判断する.腹痛強く,CT所見も絞扼性小腸閉塞の可能性があるとされ手術となった.盲腸から約50cmの部位で,80cm長の回腸が癒着性索状物で絞扼されclosed loopを形成していたが,腸管はviableで,索状物切離のみを行った.
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