下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 16 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 78】

右総腸骨動脈・腹部大動脈解離.Dissection of right common iliac artery and abdominal aorta






図5〜図12の腹部大動脈は剥離内膜(↑)によって2分され,腹部大動脈解離である.図5で△は血栓化を示しており,剥離内膜(↑)の右側(△)が解離腔(偽腔)で,左側の▲は真腔であろう.図14〜図16の右総腸骨動脈(右CIA)は左側に比べ拡張を示し,そこまで解離が及んでいる可能性が高い.また血栓化した図5の△が解離の先端部(遠位部)とすれば,右総腸骨動脈がentryの可能性がある.









血管造影の図Aで偽腔の圧排による軽度の狭窄(▲)を示し,図Bでentryが右総腸骨動脈(△)であることを認め,図Cで全偽腔が造影され,大部分は血栓化していない.手術で同所見が確認され,人工血管置換術が行われた.



  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ4 【症例 MR 20】
2. 外傷(Trauma)シリーズ10 【症例 TE 47】

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