腹部大動脈は図６で分岐し総腸骨動脈（CIA：Common Iliac Artery）となる．内外腸骨動脈の分岐部は右は図１０で，左は図１４であろう（EIA：External Iliac Artery，IIA：Internal Iliac Artery）．図６の右CIAが正常血管だから，図６〜図１７の↑は左総腸骨動脈瘤で，図７〜図９の白矢印も直径が図６の右CIAの1.5倍以上あり動脈瘤である．周囲に血腫を認めず破裂はないが，急性の腹痛または腰痛があり，腹部エコー検査とCTでその原因が他に見つからなければ，原則として動脈瘤の切迫破裂（impending rupture）とすべきである．腸管拡張はなく，肝胆膵に異常なく（画像省略），尿路系にも異常を認めず，切迫破裂と判断すべきである．図１０〜図１６の▲は外腸骨動脈であろう．人工血管置換術が行われた．