下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 15 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 71】

上腸間膜動脈塞栓症(壊死腸管なし).SMA(Superior Mesenteric Artery) embolism with no bowel necrosis









SMAを追跡すると,図6〜図9で造影されなくなる(↑)ので塞栓症であるが,図10〜図12で再度造影される(白矢印).図12の臍(▲)を中心に右上腹部から左下腹部への斜線を境に空腸は左側へ,回腸は右側に位置する場合が多いが,図13以下の盲腸(C)と右側小腸(回腸:△)の壁は良好な造影効果を示し,虚血の所見はないので,側副路から十分な血流が保たれていると解釈する.図Aの血管造影で↑が塞栓部だが,血管のspasmを認めず,側副路からright colic artery(△)とileocolic artery(▲)が造影され良好な血流を示している.カテを留置したまま塩酸パパベリンの持続動注を開始し,局所麻酔による,小切開での試験開腹術を行った.腸管壊死を認めないため,腹水の色調を観察するためのドレーンを挿入した.









  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ16 【症例 EE 78,79】
2. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)2 【症例 GE 6】

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