下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 15 RESIDENT COURSE 解答 【症例 LR 73】

腹直筋鞘血腫(腹直筋内血腫).Rectus sheath hematoma




図1〜図12の腹直筋内腫瘤(↑)は,図8から尾側でやや不均一な内部構造を示し,血腫か腫瘍性病変であるが,図4〜図11の▲はextravasation(造影剤の血管外漏出)であり,腹直筋鞘血腫(腹直筋内血腫)と診断する.Extravasationは現在活動性の出血が起こっていることを意味し,直ちにTAEまたは手術を要する状態の場合が多いが,腹直筋鞘は強靱な筋膜なので,ほとんどの例である程度の血腫を形成すると出血は自然に止血する.安静のみで腹痛は消失し,Hbは15.1g/dlから9.7g/dlまで低下したが,輸血を要しなかった.








  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ5 【症例 RR 21】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ23 【症例 ER 111】

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