右側結腸は虚脱し,拡張しているのは小腸だけだから小腸閉塞である.一部はgasless(ガスの占める割合が断面像の面積の半分以下)だが,腸管壁の造影効果は良好で,骨盤腔内に腹水を認めないので絞扼性小腸閉塞の可能性は極めて低い.念のため図16から追跡すると,1は図1の17となり頭側へ上行する.図7のabはaとb に別れ上行し, 図8のcdも同様に上行する.Aは図8のIで閉塞するが,近辺に閉塞するもう1つの腸管を認めないので単純閉塞である.閉塞部位は図7〜図9の虚脱した小腸(SB)と連続すると思われるが,腫瘍性病変,重積や周囲に閉塞部位を圧迫する病変はなく,(腹部手術の既往はないが)癒着による閉塞の可能性が高い.絶食,輸液と高圧酸素療法により1週間で治癒した.
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