拡張した小腸があり,図1の盲腸(Ce)は液状内容物を含まないので小腸閉塞である.拡張した小腸はgaslessで,図8〜図11で腸間膜の濃度上昇(▲)を示し,図21で子宮右側に腹水(※)を認めるので絞扼性小腸閉塞の可能性がある.Closed loopを証明すれば確定診断となるから,腸間膜の濃度上昇を示しているloopに注目し,図3のAと1から追跡を始める.Aは図15のMで閉塞し,1は同図の14で閉塞し,図12〜図14で近辺の虚脱した小腸(SB)を認める.図15のa〜図7のhが単純閉塞の小腸だから,A〜Mと1〜14はclosed loopを形成している.その壁の造影効果は単純閉塞の小腸と比べ同等であり壊死はない.翌日腹膜刺激症状を認めたため手術となったが,約15cmの回腸がbandによりclosed loopを形成し絞扼され,壊死に陥っていた.壊死に陥る前に診断し手術してほしいものである.
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