下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 14 RESIDENT COURSE 解答 【症例 LR 67】

子宮広間膜異常裂孔ヘルニア.Small bowel herniation through a defect of the broad ligament of the uterus






図4〜図6で右側結腸は普通便とガスを含み,液状内容物で拡張しているのは小腸だから小腸閉塞である.図11と図12の※はpartial volume effectの可能性があるが,図8と図9の▲は腸間膜間の腹水で,拡張した小腸はgaslessであり,腸管の追跡は困難ではなさそうだから図12のAと1から追跡してみる.Aは図8と図9でbeak sign(↑)を示し,図8のEで閉塞する.1も同図の15で閉塞し,図8で虚脱した小腸(SB)を認める.図9でbeak sign(白矢印)を示すa〜図1のxが単純閉塞の腸管で,A〜Eと1〜15はclosed loopを形成している.壁の造影効果は良好でこの時点では壊死はない.イレウスチューブを挿入し経過観察され,12日目に手術となったが,左側子宮広間膜異常裂孔ヘルニアに回腸の嵌頓を認め,高度の虚血状態を示す約30cmを切除した.







  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 3 【症例 LR 14】

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