文献考察:S状結腸捻転症
1)飯合恒夫,岡本春彦, 須田武保, 畠山勝義.【消化器外科疾患 診断と治療のフローチャート】 S状結腸捻転症 外科 62巻12号 Page1460-1462(2000.11)
2)Madiba TE, Thomson SR. The management of sigmoid volvulus. J R Coll Surg Edinb. 2000 Apr;45(2):74-80.
3)Grossmann EM, Longo WE, Stratton MD, Virgo KS, Johnson FE. Sigmoid volvulus in Department of Veterans Affairs Medical Centers. Dis Colon Rectum. 2000 Mar;43(3):414-8
要旨:消化管が腸間膜の長軸方向に捻れて起こる疾患を捻転症という.本症の発生には,1.腸管にたるんだ分節があり腹腔内を自由に動くこと,2.その分節を固定している点が接近しており,それを中心として捻転が発生しうるという2つの因子が関与する.S状結腸は係蹄がたるんでおり,固定点も接近しており好発部位である.誘因としてはS状結腸過長症,腸回転異常,手術によるS状結腸間膜の瘢痕短縮などの器質的なものと,長期臥床,慢性便秘,抗コリン作用薬剤の投与,低カリウム血症などの機能的な因子がある.S状結腸捻転症は高齢者と精神・神経疾患を有する者に多く発症する.手術適応:1)腹膜刺激症状,2)血便,3)ショック,4)遊離ガス,5)内視鏡的に整復不成功例.6番目に“捻転を起こしたS状結腸の壁内気腫”を追加したい.
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